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しばらく歩いた所で、家の近くの交差点に辿り着いた。だがそれはいつもの見慣れた光景では無く、どこか殺伐としていた。
道の真ん中でトラックが立ち往生し、周囲には沢山の人だかりがある。
好奇心から、俺は人だかりの中心へと向かった。
現場に近付くと、野次馬達の話し声が聞こえてきた。
――轢かれたのって女の子らしいよ
――うっわヒサン。かわいそー
――まだ救急車来てないからそこにいるんじゃないかな……見てみようぜ
どうやらこの事故は人身らしい事は分かった。相手はトラックなので被害者の女の子が助かる見込みは無いだろう、などと呑気に考えていた。
トラックの近くへと歩み寄ると、女の子らしきものが横たわっているのが見えた。らしきもの、というのは、身体がぐちゃぐちゃになっていて判別が難しかったからだ。“それ”の傍らには真っ青な顔をした運転手も居る。
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