セツナアメ

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あれから終わることのないイジメ。 頬から一筋の血。今日は小雨が降っている。全部、全部流せれば良い。流してほしい。 「……ハオか?」 「…よくわかったね。今日は小雨と言えどかなり冷えている。風邪、退いちゃうよ」 「そうなったら、そうなっただ」 「葉らしくないね」 「…そうだな」 背中に気配を感じた。この場所を知っているのはオイラとハオの2人ぐらいだから、直ぐにわかる。 「傷、どうしたの?」 「じいちゃんと喧嘩した」 「嘘だろ。朝は無かったじゃないか」 「…きっとお前が気付かなかっただけだ」 「…本当?」 「おう。友達ならよく見とけよな」 「ははっ。何時もの葉だ」 「…何時ものオイラ、か…」 「ん?」 「いや、何でもねえ。帰るぞ」 「あ、ちょっと待ってよ!」 ハオは気付いているだろうか。まだイジメが終わっていないことを。 どうか、どうか気付きませんように。このままの関係を続けられますように。 ⇒END *
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