真也のクセに、生意気だ

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「持ってない?」   うん…だって、にわか雨だって言うから……」   「ふ~ん、持ってないんだぁ……」   「あ、ヤバい」と真也は本能的に察知した。   「もっ、もうすぐ止むと思うしっ!ちょっとぐらい良いじゃん!ねっ!?」   「探して」   「……え゙」   「聞こえなかった?探しなさい、どっかにカサぐらい転がってるでしょ?無かったら職員玄関から拝借してくればいいじゃない。さぁ行く!」   「職員玄関って、それあったとしても先生の……」   「へぇ~、口答えするんだぁ……真也なのに」   「いやぁボクも人間なわけで…自分の意志というものが……って、ちょっと待ってよ!なんで指鳴らすわけ!?そんな恐い顔しないでよ!!無いモノは仕方ないじゃん!!ねぇ!!ダメダメダメダメ!ボク一緒に空手やってた時だって1回も勝ったこと無いのにそんゴフゥッ!!」   結局、真也がどうにかゴミ捨て場から使えそうなビニール傘を引っ張り出し、麻衣がそれを差す横で、彼はずぶ濡れになりながら帰路につくことになった。
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