41166人が本棚に入れています
本棚に追加
/370ページ
少年の声に誘われる様に木の間を縫って何かが近づいて来た。
一見火の玉の様だが、黒い光を放つそれは少年の前でピタリと停止した。
「何?」
首を傾げ、不思議そうに少年が見るなか、光の玉はゆっくりと形を変えていく。
光は次第に人の頭や手足の形になってその輝きを落ち着かせていく。
「え……人?」
少年が軽く目を見開かせていると、光の玉だった人が口を開く。
「……俺はジルト。
俺はお前を待っていた。」
最初のコメントを投稿しよう!