第一章 -01-

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修也「はい、連れてきました」 舞華「ありがとう修也さん。毎日ごめんなさいね」 俺は玄関まで星を運ぶと舞華さんの前で下ろした。 星は納得いかない様子でぶすくれていて。 俺のズボンを掴んで離さない。 舞華「ほら星、お礼言って帰りましょう」 星「………」 舞華「星ッ!ちゃんと挨拶して修也さんのズボン離しなさいっ」 星は舞華さんの言葉をすべて無視して俺の足にしがみつく。 これには流石の舞華さんも少し声のボリュームが上がった。 これも何時も繰り返されていること。 星は何故か家に帰りたくないらしい。 でも、その理由はいくら聞いても教えてくれない。 だから俺もそれ以上深入りしなかったんだ。 舞華「いい加減にしなさい!修也さんに迷惑かけないのっ!!」 星「嫌だっ!」 修也「あー…舞華さん落ち着いて下さい」 舞華さんは痺れを切らし、星を引き離しに入った。 それでも星は決して離れない。
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