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仕方なく…達也を放置し和葉を追いかけ走っていると、高校生っぽい女の子が困ったような顔をして立ち尽くしていた。
いや、放置したのはあくまで仕方なくだからな。
大事だからもう一度いうが「仕方なく」だからな。
にしても女の子の制服には見覚えがある気がする。
「あっ…うちの高校の女子の制服か。ねぇキミどうしたの?さっきからキョロキョロして」
「えっ!?あ、はい。そのちょっと道に迷っちゃいまして…」
制服の女の子は少し驚いたように事情を話してくれた。
「あぁ…やっぱり?キョロキョロしてるからそうじゃないかと思ったんだ。光ヶ丘高校に行きたいんでしょ?」
「えっはい。そうですけど…なんで私が光ヶ丘高校に行きたいってわかったんです?」
制服の女の子は不思議そうに少し疑いを含んだ声色で聞いてきた。
「それ光ヶ丘の制服だろ?俺そこの生徒だからさ一緒に行く?」
「あっ!!制服ですか!!…なるほどなるほど。すみません疑ってしまって…」
制服の女の子は申し訳なさそうに頭を下げてきた。
「いいよ気にしなくて、それよりはやく行かないと遅刻だ」
「あっはい、では行きましょう!!」
少し早足で歩きだした。
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