襲撃

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美那香と竜太郎はいろんな事を話しながら、食事を楽しんだ。 互いの趣味や学校の事など、そして奴の事も。 「竜太郎は奴についてどのくらい知識あるの?」 「噂程度かな……あとは、昔確かに奴がいた事くらい」 「うーん……私は都市伝説のあいつの事や、実際の事件についていろいろ調べたわ」 美那香は自分の知る人喰いピエロの都市伝説や噂を伝えた。 「都市伝説では、一回死んで悪魔として蘇ったんだって、傷を負っても人間を食べれば傷は治る。尋常じゃない程の力を持ってて、弱点は右足。理由は右足は生身の人間の部分だかららしいわ」 「まるでエイリアンみたいだなぁ……」 「そういう説もあるけど、10年前に確かにいたのよね……人喰いピエロって」 「それは知ってるけど、犯人は行方不明なんでしょう?」 「人喰いピエロの本名は三島太郎。当時48歳。サーカスのピエロをしてたらしいんだけど、精神的におかしくて前からいろいろ犯罪を犯してたみたいよ。10年前の1月1日に当時7歳だった女の子を強姦、そのまま殺害する。首の一部が喰い千切られ、死体は公園に晒されてたんだって」 「……うっ」 「次は二ヶ月後の3月3日に17歳の高校生を殺害、眼球が抉られており、心臓がなくなっていたそうよ。この辺りから犯人として三島太郎が浮上し、本人は逃走しながら街の若い人を殺害し喰らってたそうよ。しかし、11月の事件を最後に行方不明になったんだけど、県外で見たって目撃情報が多発し、噂が広がって都市伝説になったのよ」 「11月の事件は犠牲者でたの?」 「少年が襲われたわ。心臓やら臓器がその場で摘出され、調理して喰ったみたい」 ちなみにまだ食事中であり、美那香は平気な顔してハンバーグを頬張っている。 竜太郎は、正直残したかったがそんなひ弱な体なんだから食べろと、お残しは美那香が許さないかった。 「んー…てか竜太郎って体細いし、いざって時に全然ダメじゃん。腕っぷし自信あるの?」 「一応腕っぷしには自信あるけど……」 「私に助けられたじゃん」 「あの時はいきなり靴音聞いて、振り返ったらあいついたからびっくりしたんだよ」 「靴音?それ私よ。あいつは右足を引きずる音がするはず……」 位置的にもピエロの真後ろから美那香は現れ、振り向いたあいつの顔をめがけて石を投げた。 「あいつ忍者なのかな……」 「ただのピエロよ」 「……だね。気にするだけ駄目だな」
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