99人が本棚に入れています
本棚に追加
美那香と竜太郎はいろんな事を話しながら、食事を楽しんだ。
互いの趣味や学校の事など、そして奴の事も。
「竜太郎は奴についてどのくらい知識あるの?」
「噂程度かな……あとは、昔確かに奴がいた事くらい」
「うーん……私は都市伝説のあいつの事や、実際の事件についていろいろ調べたわ」
美那香は自分の知る人喰いピエロの都市伝説や噂を伝えた。
「都市伝説では、一回死んで悪魔として蘇ったんだって、傷を負っても人間を食べれば傷は治る。尋常じゃない程の力を持ってて、弱点は右足。理由は右足は生身の人間の部分だかららしいわ」
「まるでエイリアンみたいだなぁ……」
「そういう説もあるけど、10年前に確かにいたのよね……人喰いピエロって」
「それは知ってるけど、犯人は行方不明なんでしょう?」
「人喰いピエロの本名は三島太郎。当時48歳。サーカスのピエロをしてたらしいんだけど、精神的におかしくて前からいろいろ犯罪を犯してたみたいよ。10年前の1月1日に当時7歳だった女の子を強姦、そのまま殺害する。首の一部が喰い千切られ、死体は公園に晒されてたんだって」
「……うっ」
「次は二ヶ月後の3月3日に17歳の高校生を殺害、眼球が抉られており、心臓がなくなっていたそうよ。この辺りから犯人として三島太郎が浮上し、本人は逃走しながら街の若い人を殺害し喰らってたそうよ。しかし、11月の事件を最後に行方不明になったんだけど、県外で見たって目撃情報が多発し、噂が広がって都市伝説になったのよ」
「11月の事件は犠牲者でたの?」
「少年が襲われたわ。心臓やら臓器がその場で摘出され、調理して喰ったみたい」
ちなみにまだ食事中であり、美那香は平気な顔してハンバーグを頬張っている。
竜太郎は、正直残したかったがそんなひ弱な体なんだから食べろと、お残しは美那香が許さないかった。
「んー…てか竜太郎って体細いし、いざって時に全然ダメじゃん。腕っぷし自信あるの?」
「一応腕っぷしには自信あるけど……」
「私に助けられたじゃん」
「あの時はいきなり靴音聞いて、振り返ったらあいついたからびっくりしたんだよ」
「靴音?それ私よ。あいつは右足を引きずる音がするはず……」
位置的にもピエロの真後ろから美那香は現れ、振り向いたあいつの顔をめがけて石を投げた。
「あいつ忍者なのかな……」
「ただのピエロよ」
「……だね。気にするだけ駄目だな」
最初のコメントを投稿しよう!