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竜太郎は突き飛ばされた際、気を失ったようでその際メガネも外れたようだ。
その方がやりやすい。
恐怖で怯えてた自分の顔が、笑っているのに竜太郎は気がつくはずもなく、椅子を蹴り飛ばし、刺さっていたナイフを抜き奴を探す。
視界にさっきまでいなかった、警官達が銃を構え何やら騒いでるその先、女性の髪を掴んで笑ってる奴を見つけた。
意識より先に体は直ぐに動いた。
警官達に気をとられていた奴の首筋に一撃、蹴りが入る。
人喰いピエロにとってみれば、不意打ちの一撃で体勢も崩れ、あまりの痛みに悶えた。
右手で掴んでいたおやつの髪を放してしまう程の痛み、やった奴を刺してやりたくてもナイフは手元にない。
「よぉ……デブピエロ」
「……お前知ってるぞぉ…」
人喰いピエロは顔を上げた先にいた竜太郎の顔を見て、10年前の事を思い出した。
疫病神で死神で悪魔がまた現れた。
メインディッシュの女の傍に隠れて、僕を殺そうとしてる!?
早く喰わなきゃダメージ回復ができない。
「うわぁぁ…うわぁ!?」
竜太郎めがけて捨て身で体当たりする人喰いピエロだが、竜太郎はそれをかわし、厨房に駆け込む。
奴は目の前で固まっていた警官に突っ込み、店外に那香無事か!?」
「……うん…って竜太郎……メガネは?」
「さっさと店から逃げろ店内に残ってんのも、厨房の裏口から出ろ!!喰われんぞ!!!」
店外では警官達や不良達が奴に喰われているが、裏口からならまだ時間は稼げる。
竜太郎は覚悟を決めていた。
「早く裏口から外に!!」
竜太郎の指示で、店内で動ける人達は助け合いながら裏口から店を出た。
美那香も近くにいた人に連れられ、店外に出たが、竜太郎が心配で何度も店に戻ろうとしたが周りに止められて行けない。
「姉ちゃんやめとけ!彼氏の兄ちゃんは……」
美那香は自分の不甲斐なさを悔やんみながら、祈った。
竜太郎が帰ってきますようにと。
鬼島は怒りに震えていた。
たかが、頭のおかしいクズに仲間が惨殺されて行く。
恐怖心はあるが、プライドが許さなかった。
「このピエロ野郎が!」
仲間や警官達が傷つき、戦ってる中俺は逃げれるか!!
転がっていた金属バッドを手に取り、警官を襲ってる奴の顔面をバットでぶん殴る。
「ぶっ殺してやる!!!!」
倒れた警官のホルスターから拳銃を素早く抜き、奴に狙いを定める。
弾は六発もある。
ぶっ殺すのには余裕だ。
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