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「おい、糞ピエロテメーは神様って信じてっか?」
「……ぼ、僕はか、神様の指示に従ってんだ……撃たれても死なないよ」
ピエロが喋れたの意外だった。
いつでも撃てるように撃鉄を下げる。
「さ、さ、サーカスで働いていた頃に僕は知ったんだよ……あの味と快感。それに……この教典に書いてあるんだ」
汚れた変な本とノートを大切そうにロングコートから取り出すと、不敵な笑いを浮かべる。
「きめぇよクズ」
鬼島は引金を引いた。
初めて撃った反動は、想像以上だった。
だが、弾は右肩を貫き、ドバッと血が飛び散る。
「……き、君やめるんだ」
「あんた生きてたのか」
倒れていた警官が傷を抑えながら、立ち上がる。
左腕の一部を喰い千切られ、このままじゃやばいな。
よく見れば、まだ息のある奴もいる。
「とりあえず待てや警官の兄ちゃん。今返してやるからよ」
残り五発。
ぶっ倒れていたピエロに、撃ち込んでやった。
「……なんて事を」
「ひゃっははははくたばったかこのピエロ野郎が!!!!」
ピエロの顔面にバッドを振り下ろす。
グシャって音が周りに響く。
何度も何度も振り下ろし、満足した頃には原形を止めてなかった。
「はぁはぁはぁ……ざまみろや」
鬼島の笑い声が、呻き声と共に駐車場に響いていた。
遠くでサイレンの音を感じながら、竜太郎は息のある人の手当をしていた。
四人の警官の中で、無傷だった一人は増援と救護を呼び、鬼島は事情徴収に応じていた。
「……これは」
竜太郎は人喰いピエロが持っていたノートと本に目を通していた。
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