2/3
前へ
/61ページ
次へ
「んでさぁ~その人喰いピエロって結構昔から居るらしいんだってって、……ちょっと竜太郎話し聞いてるかぁ?」 「あっ……ごめんごめん」 久坂竜太郎は友人達の噂話しをうんざりしながら、聞き流していた。 恐怖!!都市伝説の人喰いピエロは実在した!!って世間や週刊誌で取り上げられ、ネットじゃお祭り騒ぎだ。 正直、女の子が一人亡くなったのに不謹慎だと思う。 変な話し、友人達がこんな話しを熱く語ってるの聞くくらいなら、部屋でネトゲしてたいと思ってしまう。 ずり落ちてきたメガネを人差し指で上げると、ファミレスのメニュー表をみながら今日のお昼を考えていた。 竜太郎は近くの大学に通う大学生で、学年は二年。 文学部に席をおき、将来は雑誌の記者になりたいと竜太郎は考えていた。 8月の熱い日差しの中、ただでさえ熱いのに男ばっかのむさっくるしいサークルメンバーと、昼飯を食べに入ったファミレスで、一人が夏だからって話しだした内容が、人喰いピエロの話しだった。 周りも火がつき30分以上、この会話で持ちきりだった。 一ヶ月前、街の私立高校に通う女子高生二人が、街の路地で襲われ、一人が死亡した事件があった。 死亡した女子高生は、首筋に絞められた後があり、一緒にいた女子高生から事情を聞いた結果、暴漢に襲われ殺害されたと警察が発表した。 犯人はピエロのメイクをした、40代か50代の太った男で、刃物を持っていたと証言され、10年前にあった猟奇殺人事件の犯人に一致する特徴があった。 その10年前の事件はいろいろな噂などがあり、今では都市伝説になっていたが、事件発生して以来は、人喰いピエロが復活したなどと騒がれ、一部では悪魔の仕業なんて騒がれている。 正直、竜太郎はあまり興味なかったが、自分の住む街で起こった事件であり、気にならない事もなかった。 「とりあえずあの路地最近マジでいろいろ物騒だし、近づく人かなり減ったよな」 「たまに肝だめししてる馬鹿がいるみたいだぜ?ネットじゃ悪魔説とか騒がれてて祭りの状況だぜ?」 竜太郎は聞いていと、ちょっと気分が悪くなり我慢できずに先に帰る事にした。 「あいつこの話しだけはノリ悪いよな……」 そんな声が聞こえたが無視して、さっさと店をでた。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

99人が本棚に入れています
本棚に追加