終わり全ての始まり

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その長く綺麗に整った黒髪は光の粒子の流れに沿って、まるで琴が奏でる旋律のように清らかにさらさらと流れてゆく…。 その髪のように深い黒の瞳、整った顔つきではあるが笑えばきっと素敵な笑顔であろう温かみのある顔である少女の瞳からは、涙が流れ両頬を濡らしている。 しかし、その心にある悲しみを振り払うように、目の前の漆黒の服を纏う彼へと瞳を逸らさず真っ直ぐに見つめた。 男は無言のままでいた、いや何を言えばよいのか分からなかったかもしれない。
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