終わり全ての始まり

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そして、その男は静かに彼女を見つめかえした。 無表情だったが、それは無理やり感情を殺した、表情の顔を取り繕っているものであった…。 彼女はそんな彼に少し苦笑し、また涙がこぼれ落ちた。 男は彼女への想いを歯を食いしばることで心の内へと秘めた…血が唇に滲むくらいに強くくいしばって…。 そして、一歩…また一歩…彼女へと彼は遂に歩みを進め始めた。 右手拳を握り締めると瞬時に黒い炎が纏う、そして一気に加速、地面を抉り抜いて高く飛び上がり中を舞う、黒い炎は竜巻のごとく渦を巻き、地上にいる彼女へと一気に振り降ろした‥。 今までの彼女との思い出が、流れ落ちた。
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