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誠と小夜子が言った。その時、
「俺も学校に取材しに行ったんだが、生徒の一人からとんでもないことを聞いたよ」
と哲夫がいつもより少し低い声で言った。
「なんだって!哲ちゃん、どういうことだ?」
「相原の体罰が原因で脊髄をやられて、車椅子なしでは生活できなくなった生徒がいるらしいんだ。これからその生徒の親とかに会う必要があるだろうが、どうもその話をしてくれた生徒によると、その生徒の親が怒って学校を告訴しようと動き出した時から、嫌がらせに遭っているらしいんだ」
「ひどい話ね」
小夜子が呆れたように言った。誠も
「それが本当なら立派に犯罪だな。その少年の親に俺も話を聞いてみる必要があるな」
と言った。
その時、玄関のチャイムが鳴り、
「誠、写真持ってきたぜ」
と竜治が入ってきた。
「おう、竜治か。ちょうどいいところだった」
誠が言った。
「それより大変なことがわかったのよ。黒木さんが青龍学園に探りを入れたらしいんだけど」
小夜子が割って入るように続けると、
「相原の体罰を受けた生徒で、車椅子なしでは生活できなくなった生徒がいるらしいんだ。その子の親が怒って学校を訴えようとしているんだが、嫌がらせに遭っているらしい」
と哲夫が事情を説明した。
「黒木、一体それは誰に聞いたんだ」
「教師たちはほとんど何も知らないというのはだったから、生徒たちに聞いた」
「許せない話だな」
竜治は怒りをあらわにした。
「近所の様子はどうだったんだ?誠」
「どういうわけか、まじめできちんとしている人だって、皆口々に言ってた。変なんだよなあ」
「どこがーっ!ただの暴力教師じゃないのよ」
かおりがテーブルをたたいて怒った。そして、
「竜治さん、私が友達から聞いた話なんだけど」
と言ってエリカから聞いた話を詳しく説明した。
「なんてこった!おかしいんじゃないのか?」
竜冶が憮然とすると、
「でも、他の先生たちが何も知らないというのは、竜治さんの言う通り確かにおかしいけど、口止めさせられている可能性はありそうね」
小夜子が言った。
「だって、保健室の先生は、生徒がけがした時の状況をある程度知っているはずよ。それに他の先生だって,何らかの形で話は聞いていると思うわ」
「そういえば…」
哲夫が思い出したように言った。
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