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「それなのに相原は、ノイローゼになって辞めた後輩たちを、根性なしとか人間のクズとか口汚い言葉でののしっているの。お願い!学校のためにも、ルリ子を助けるためにも、相原を懲らしめて欲しいの」
「わかった」
しばらく沈黙が続いた後、誠があすかに言った。
「お父さんかお母さんに頼んで、告発状を二人で作ってごらん。それを私が預かって近くの警察に届けてみるから」
「お父さん…」
「こんなひどい事になっても、学校サイドが何もしないなんておかしいじゃないか!それに教育委員会は何をしているんだよ。あすかちゃんの学校が私立とはいったって、こんな事を放っておくなんて…。俺も刑事として出来る限りのことはするから」
誠は言った。
「あすかちゃん、私たちも力になってあげる」
小夜子が言った。かおりもうなずいて、
「そのあくどい先公、絶対学校に出て来られないようにしてやるから」
と言った。小夜子もかおりも、そんなひどい事をする先生は絶対許さないという思いで一杯だった。
その夜、再び皆が集まり、小夜子、かおり、誠は、事の次第を哲夫、竜治、一郎にも話した。
「後輩をかばってそんな事に?ひどい話だな」
竜治が呆れたように言った。
「そうだよ。いくら私立だからって、教育委員会が何も言わないなんて、おかしいじゃないか」
一郎も言葉を続けた。
「黒木さん。あすかちゃんがかばった後輩は、身体に障害があるらしいんだけど、マイペースで頑張って練習しているらしいの。でもその相原に、あすかちゃんが自分のためにひどい仕打ちにあったのがきっかけで、練習に来なくなっちゃったんだって。名前は星川ルリ子というんだけど、あすかちゃん、彼女の事をすごく心配しているみたいだった」
「そうか、そのルリ子ちゃんって子も、精神的にずいぶん傷ついてしまったんだろうな。ルリ子ちゃんにも会ってみる必要があるな」
哲夫が心配そうにつぶやいたその時、
「いいこと考えちゃった!」
とかおりがポンと手をたたいた。あっけに取られる小夜子たち五人。
「かおり、何をやらかすつもりだ。暴走したら警察ざただぞ」
「わかってるわよ。だけどこれは私が高校生だから出来ることだもん」
「本当に大丈夫なのか」
「まかしといて!私だってダークチェイサーの一人なんだから」
「どうするつもりなの?」
小夜子が聞くと、かおりは耳元で何かささやいた。
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