4月11日/ジキルとハイドと/曇

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ダメだ…… 屋上に行っちゃ駄目だ…… でも…… ニヒル…… 昨日から眠っていない頭でもニヒルの事しか考えられない 昨日は親父が帰ってきた。 女を連れて。 ずっと女の“声”が隣の部屋から聞こえていた… 死にたい…… ニヒルにもあえない… 本当にこの世界には絶望と虚無しかない… ニヒル… 会いたいよ… あぁ…死んじゃおうかな… 屋上行こ。 どうせ死ぬなら、 一度だけ… ニヒルを見てから…… ニヒルのニヒルじゃない笑顔がみたい…… そして俺は屋上へ向かう。 死ぬためかニヒルに会うためか解らなくなりながら。 屋上にニヒルは居た。 いつも通りの場所に。 いつもの本を読みながら。 俺はニヒルの居る所まで行く そして、 「ごめん…ニヒル…… 俺……自分で好きだと思ってたより…… もっともっとニヒルのこと好きだった…… ニヒルに会えなきゃ、ニヒルが居てくれなきゃ、駄目だ」 「ダイゴは、 バカね………… 死んじゃうんだよ? でも 待ってたよ……」 「ニヒル……」 ニヒルをぎゅっと抱きしめた…… ニヒル…ニヒル…ニヒル… この温もりが柔らかさがあれば何でも良い…… ニヒルのためなら… 死んだって良い………
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