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今日は、朝から忙しくてバタバタしていた。
「錐矢君、営業の郁品君が体調を崩して休んでいるんだが契約先の会社の営業の人が見えてるから郁品君の代わりに商談してもらえないかな?」
「課長、私が商談なんて無理ですよ。営業の商談なんてした事ないですから。」
「知っているさ。錐矢君は、郁品君の代わりに話を聞いて契約書にサインをするだけでいいから頼むよ。」
「話って…課長、他にも手が空いてる人がいると…」
課長は、どうしても私に任せたかったのか無理矢理私の手を掴み嫌な笑顔で無言の強制課長命令を出した。
「…分かりました。」
「錐矢君にとってその商談は、悪いとは思わない筈だ。まぁ、行けば分かるがね。」
「悪いとは思わないって何だろう?課長、相手先の営業の方は見えられているんですか?」
「ああ、応接間に通してあるよ。相手先の会社の社長とうちの会社の社長同士がゴルフ仲間だから機嫌をそこねないように上手くやってくれよ?」
「…上手くって既に商談はまとまってるんじゃないの?😓気にしないで応接間に行こう。」
私は、課長の楽天的ないつもの事に深く追求はしなかった。けど、私で本当に大丈夫なのかしら?不安になる。
~応接間~
コンコン
「どうぞ。」
カチャッ
「失礼します、遅くなって申し訳な…!?」
お辞儀をし遅くなった詫びを言おうと顔を上げるとそこには眩しい程の爽やかな笑顔のイケメンの青年が立っていた。
「どうしたんですか?」
「あっ、いえっ…(課長の言ってた悪くないってこの事だったのね?😆)」
何故か目の前のイケメン(契約先の相手)を見てふらつく私…
グラッ
「きゃあっ!?」
ガシッ
「大丈夫ですか?」
「はい😓」
いつもはこんなドジを会社の中ではしない私だけど、目の前のイケメン紳士に既にお熱でやられていた。
更に、私は彼に支えられて体中の体温が急激に上がる。
「体調悪いんじゃないですか?顔が赤いですよ。熱があるのでは?」
「大丈夫です。緊張するといつもこうなるんですよ💦(嘘)私は大丈夫ですから、商談を始めましょうか?」
スイッチを切り替えていつもの私に戻った。キリリとクールに仕事をこなすビジネスモードに…
「そうですね。郁品さん、体調が悪くて欠勤されてると聞きました。お大事にと言っておいて下さい😃…紹介が遅れましたね?」
イケメン青年が立ち上がり私と名刺を交換した。私より背が高い。170より上かな?
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