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バッグを砂の上に置き、その隣に腰を下ろす。ザザァー、と、波が一定の間隔で打ち寄せる。今日は凪いでるな、と、どうでもいいことを考えた。
昔から俺は海が好きだ。夏の賑わっている海辺もいいが、冬の閑散とした雰囲気も好きだ。一人になりたいときは決まって海に来る。それも冬場が多い。冷たい海風に身をさらして波の音を聞いていると、自然と、心も凪いでくる。それはとても心地がいい。
そして、どれくらいそのままでいただろうか。
後ろで、ザクッザクッと、砂を踏む音がした。
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