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珍しいな、と俺は振り返る。彼女と、目が合った。
「ぁ……」
彼女は驚いたように小さくビクリと身を震わせた。
俺も少し驚いた。冬も終わりきらない海に人が居るのもそうだが、何より、その子の服装が、俺の学校のだったから。
見た限りでは、二年か三年か。同学年の顔さえ覚えていない俺には、勿論分かるはずもない。髪を肩ほどにそろえて、すこぶる美人ということもないが、可愛いな、とは思わせる外見だった。
その子は、少しオドオドしたように俺を見ていた。俺はクスリと笑う。
「…サボリ?」
俺が訊くと、彼女はコクンと小さく頷いた。そして俺より少し離れた場所まで来ると、俺と並ぶように腰を下ろした。
近すぎず、遠すぎず。
悪くない。
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