connecting

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何も無い真っ暗な空間。 果てしなく続く黒の世界…。 そこへひとりの少女が訝しげに現れた。腰辺りから太い紐を垂らし、彼女が現れた方向へと延々と続いている。 しかし、彼女はそれに気付いていない。 「……あれ?ここ…どこ?」 歩けど依然景色は変わらず黒一色。だが何故か、自分の存在はハッキリと見える。 「さっきまで私…何してたんだっけ……?思い出せないや…」 ふらふらと歩いてはみるものの、何もわからない。 「……ま、いっか。にしても、いったいどこなんだろここ」 ――ガンッ―― 「ん?あれっ…何でこれ、行けない…?変なの…」 周囲は開けているのに、それ以上先へは進めない。まるで透明な壁でもあるかの様に、彼女の侵入を拒む如く立ち憚る何か…。 「…」 考えてみても、答えは見付からない。 「……誰か居ないかなぁ………はぁ」 取り留めなく思考を巡らせてみても、現状は何一つ変わらず…。先にも進めず、戻るのも億劫だ。 いい加減歩き回るのにも疲れ、その場に座り込んだ。 image=38360192.jpg
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