同棲生活

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日取りが決まってから、翔はうちの両親に挨拶にきた。 「娘さんを下さい!」 とか結婚紛(マガ)いな発言には、父は噴き出して笑った。 「結婚するんか(笑)」 って笑ってた。 あたしも笑ったけど、翔は顔を真っ赤にしてたけれど、本当にあの時のあの台詞が、一番のプロポーズだったのかもしれない。 「たまには実家にも帰ってきなさいね。お母さんのコーンスープ食べに。」 お母さんは少しだけ寂しそうだった。 いざ、引っ越しの日は トラックも使わずして翔の車とあたしのポンコツとで荷物を何回も往復して運んだ。 さすがに、アコースティックギターやエレキギターを持って行ってるのが見つかった時には、 「ただでさえ部屋狭いんやから…(笑)」 と止められた。 引っ越し作業は日没過ぎに終了。 何もかもが楽しかった。 楽しくて、楽しくて、 あたしは 翔だけのモノになりつつあった。 出逢わなければ。 忘れられていたのに。
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