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「…………どーいう事だ??」
住宅が密集する、とある道路。
ソコにぽつん、と
状況が理解出来ず、間抜け顔で俺は立っていた。
何故、自分がこんな場所で突っ立っているのか本当に理解出来ない。
たしか…そうだ。
やっとの思いで、あるゲームを完全クリアした俺は
非常にいい気分で明日に備え就寝したんだ。
いつも通りの朝を迎え
いつも通り学校へ向かい
そこで授業を受け、休み時間には仲間とたわいもない話で盛り上がったり
授業が終れば家に帰って、いつも通りの時間を過ごす……
俺にとっては当たり前
そんな日常を次の日も迎える───
────筈、だった。
───けど、気付けば
俺は、今居るこの場所に立っていた。
───見た事もない
見知らぬ土地へ突然に、だ。
(──いや、違う)
俺は───この場所を知っている。
しかも最近────そうだ
昨日(?)やってたゲームの中の背景と
今、俺が居るこの場所が寸分違(たが)わず一致しているんだ。
───故に
もし、間違いがなければ、俺は今──…
──冬木の町。
つまり、[Fate]の世界に居る…
という事になる。
「あぁ…成る程ね」
これは夢だと、直感的に悟った。
でなければ、俺がこの町に居る筈がない。
仮に冬木では無く
この町のモデルになった場所に居るのだとしても
俺の家からこの場所に、無意識の内に来るのは有り得ない。
なにせ、モデルとなった町は遠く遠く離れた所にあるのだから。
───だから
コレは夢で間違いない。
「───しっかし、夢にしては随分、周りの景色とかハッキリしてんなぁ」
なんというか…
この道路のひび割れ等、細かい部分まで見事に再現されてるよこの夢…
ぐるっと見回し、自身の夢の出来に感心する。
ヒュオオォ───…
……そうそう
この寒さなんか特にリアル……
「…って、寒ッ!?」
───マジで寒ッ!!
夢にしちゃあまりにも現実味有り過ぎる寒さなんですけど!?
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