プロローグ

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「うっく……ひく……」 涙が洪水みたいに目から流れ落ちていく。 このままじゃ、この部屋全体が涙で溢れてしまうかもしれない、なんて本気で思った。 すると、再びコンコン、という音が聞こえた。 あの野郎まだいやがったのか、そう思った俺は、ドアに向かって叫んだ。 「消えてくれって言ったろうが!」 すると、数秒の間、静寂が訪れ、すぐにドアの向こうからか細い声が聞こえてきた。 「そんなことを言われたのは、生まれてこの方初めてだ……非常に悲しくなってきた」 そして、嗚咽が入り混じり、『ラフ・メイカー』は、「泣きそうだ」と言った。 俺は、思った。 冗談じゃないと。 『ラフ・メイカー』、お前は、何しにきたんだ。 お前は、笑顔を届けるんだろ? あんたが泣いてちゃしょうがないだろ。 それに泣きたいのは俺の方なんだ。 せっかくの誕生日パーティーを反故にされて、あまつさえこんな意味の分からないロボットが来るなんて。 第一、俺はあんたを呼んだ覚えはない。 俺は、『ラフ・メイカー』に「泣くんじゃねぇ」と、怒鳴りながら、号泣した。
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