刺し魔

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俺はうまく回らない舌で先ほどの事を必死で説明した。 先生も傷と強く握られ痣になっている俺の腕を見て事の重大性をわかったみたいだ。 すぐに職員会議になり、警察を呼んだ。 生徒たちは警察が到着次第すぐに強制下校となった。 俺はいくら喧嘩が強くても、あのオッサン怖くて仕方なかった。 あのニタニタした笑顔はおそらく一生もんのトラウマだろう。 早く家に帰りたい。そう思い自然と足早に下校していると 後ろからいきなり肩を掴まれた。 慌て振り返ると それは仲の良い友人だった。 どうやら顔面蒼白だった俺の事を心配してくれていたらしい。 だが、いやらしいことに友達は俺のビビりようをバカにするだけバカにして帰ってしまった。 けど、まぁ友達とはいいもんだ。ほんの少しの会話でも多少だが恐怖を和らげてくれた。 俺がほっと一息吐き、振り返るとオッサンがいた。 ニタニタ笑いながら今度は大きな安全ピンの針部分を俺に向かって振り下ろしてきた。
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