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気がつけば病院にいた。
口にはガーゼ、太ももと腹に包帯が巻かれている。
どうやら助かったみたいだ。霞む目を凝らしながら部屋にある時計を見てみる。
ちょうど学校の6時間目が終わる時間。
どうやらまる1日寝ていたようだ。
その時、急に隣に人の気配を感じたので俺は慌てて振り向いた。
霞んでよく見えないが白衣を着た医者がいた。
俺は思わず安堵のため息をもらした。
今まで他人の存在がこれほど頼もしく思えることはなかった。
「大変だったね。ちょっと注射をうつからじっとしといてね」
医者の指示に従う。
ゆっくりと袖を捲られるのがわかる。
やけに脂っぽい皮膚のぶ厚い指が俺の腕をさする。
気持ち悪い医者もいるもんだと思い
ふと床に目をやると、なぜかしら床が赤く見える。
俺は目を凝らして見てみると腕をさする男のとなりに
もう1人椅子に座る白衣を着た男がいた。
だが、恐怖で目を見開いた状態で血を流し、絶命している。
心臓を鷲掴みにする恐怖。
むせかえるような汗の匂いに気がついた。
俺が声を絞りあげ叫んぶが…
目の前に座るオッサンは
ニタニタ
ニタニタ
笑いながら
満足そうに
大量の注射器を
俺に
突き刺した…
君も気をつけたほうがいい。
君の後ろで
オッサンが
君を見て
笑って…
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