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あれから私はお母さんのおめかし攻撃にあい、髪を引っ張られ、顔をもっとよく洗うように注意され、よそ行きの服を着せられてあちこちに座ったりしないようにときつく言われた。 それもこれも今日がお姉ちゃんの卒業式だからだ。 私はおめかししたお母さんに連れられてお姉ちゃんの高校の門をくぐった。ここに来るのは学校のお祭りいらいだ。あのときはワタガシ屋さんやたこ焼き屋さんが並んでいてゲームやら出し物やらですごく楽しくて私も小学校じゃなくて高校に行きたいな。と思ってたけど、今日はお店はでていなかった。代わりにたくさんのピンクの花が舞い落ちてあちこちでよそのお母さんたちがおじぎをしあいながらおめでとうを言い合っている。 うちのお母さんもすぐにその中に溶け込み、ぼんやり花に見とれていた私まで頭をさげさせられた。
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