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『全くもう…。今日はたくさん泣きなさい。その代わり、明日からは笑うのよ?』
そう言って、私は二人を抱きしめた。
どんなにしっかりしていても、やっぱり別れは寂しいわけで…―
私も二人くらいの頃を思い出した。
裕太、一磨と3人でわんわん泣いたっけ?
その時に樹音や拓巳が慰めてくれたから、泣き止んで、前に進めたんだ。
寂しい時や悲しい時って、どうしようもなく人の暖かさが欲しくなる。
だからね、あやの。
悲しい時はいつでも抱き締めに行ってあげるから…
それでね、元太。
泣きたい時は、いつでも頭なでに駆けつけてあげるから…
だから、
『…二人の笑顔が見たいわ』
二人の笑顔を、私の胸に思い出に焼き付かせてちょうだい?
そうすれば私も明日、心の底から笑えるはずだから…
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