【9】ネコの涙

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~瞳の家~ 『カズーっ!カズっ!どこにいるのっ?』 みんなで呼びながら、家中を捜したが、カズは見つからなかった。 『カズ・・・。いったいどこへ・・・』 『あの様子じゃ、そんなに遠くへは行けないはずだが・・・。そういえば、ネコは自分の最期を、主人には見せないと言う・・・』 『お父さん!!なんてこと言うんだよ!縁起でもない。』 『ごめんごめん。つい・・・悪かった。』 一通り診察した彼には、カズの体内のダメージが、致命的であることがわかっていたのであった。 (あれでは・・・恐らくもう手遅れ・・・) 『カズ・・・。独りでどこへ行ったの?』 「リン♪」 瞳が首輪に付けた鈴を見つめる。 『そういえば、その首輪を外した時に気付いたんだが・・・、首のところに変わったアザがあったな。そこのところがハゲになっていたから、前の飼い主がもしかしたら、それを隠すために付けたのかもしれんな・・・』 『えっ?首って・・・もしかしてこの辺?』 ぼうっと聞いていた瞳が、急に自分のノドを指差してきいた。 『あ・・・、ああ、その辺りに、ピンク色のアザがあったんだが・・・それがどうかしたのかね?』 (・・・あの子・・・もしかして!) 『和樹君、神社よ!きっとあの神社にカズはいる!!』
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