【3】天敵現る

3/3
前へ
/26ページ
次へ
私たちは、お父さんの仕事の都合もあって、次の日にはもう帰ることになりました。 (また、あの車か・・・) うんざりでした。 帰る前に、「ママ」のところへ寄り道をしました。 『では、峰崎さん。よろしくお願いします。』 『ママ、色々とありがとう。早苗のことを、よろしくお願いします。動かせる様になったら、必ず迎えにきますので。』 『はい。早苗ちゃんは、きっと、良くなりますわ。では・・・。』 「ママ」は、家の奥へ入って行き、一人の少女を連れて出て来ました。 『こんにちは、美樹ちゃん。今日から、おじさんと、このお兄ちゃんと楽しくやろうね。』 (ボクもいるんですけど・・・) ミキと呼ばれた子は、綺麗な目をした、優しそうな3歳の女の子でした。 ケンジのお父さんが、ミキのお父さんかどうかは分かりませんが、こうして家族が一人増えたのです。 東京に帰って、暫くは、彼女はおとなしくしていましたが、だんだんと、本領を発揮したのです。 私は毎日、ミキから逃げ回る日々でした。捕まったら最後、とんでもないことをされてしまいます。 バシバシ叩かれたり、髭は引っ張られるは、マジックで落書きされるは・・・。 もっとも、ミキは遊んでるつもりです。妙な話ですが、離れ離れになった妹の代わりに、ミキを可愛く思うのでした。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

303人が本棚に入れています
本棚に追加