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私たちは、お父さんの仕事の都合もあって、次の日にはもう帰ることになりました。
(また、あの車か・・・)
うんざりでした。
帰る前に、「ママ」のところへ寄り道をしました。
『では、峰崎さん。よろしくお願いします。』
『ママ、色々とありがとう。早苗のことを、よろしくお願いします。動かせる様になったら、必ず迎えにきますので。』
『はい。早苗ちゃんは、きっと、良くなりますわ。では・・・。』
「ママ」は、家の奥へ入って行き、一人の少女を連れて出て来ました。
『こんにちは、美樹ちゃん。今日から、おじさんと、このお兄ちゃんと楽しくやろうね。』
(ボクもいるんですけど・・・)
ミキと呼ばれた子は、綺麗な目をした、優しそうな3歳の女の子でした。
ケンジのお父さんが、ミキのお父さんかどうかは分かりませんが、こうして家族が一人増えたのです。
東京に帰って、暫くは、彼女はおとなしくしていましたが、だんだんと、本領を発揮したのです。
私は毎日、ミキから逃げ回る日々でした。捕まったら最後、とんでもないことをされてしまいます。
バシバシ叩かれたり、髭は引っ張られるは、マジックで落書きされるは・・・。
もっとも、ミキは遊んでるつもりです。妙な話ですが、離れ離れになった妹の代わりに、ミキを可愛く思うのでした。
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