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チャイムが鳴り響く しかし、龍介とはまだ目が合ったままだ 号令の合図が聞こえ、すぐに立ち上がる さり気なく目を逸らすことに成功した 授業が終わり、ぐたっと椅子に座り込む 懲りもせず窓の外を見ると、先程の場所にもう龍介は居なかった ホッと胸を撫で下ろす 『梨奈ちゃーんっ!おーい!』 外から名前を呼ばれ、キョロキョロと見回す だが、それらしき人は見当たらない… 『梨奈ちゃん!下だよ、下!』 そう言われ、窓から下を覗き込む そこには、眩しそうに手をかざしながら上を見上げる龍介の姿が合った こんな所まで来て、名前を呼ぶなんてよっぽど目を付けられてる… よしっ! 作戦実行だっ そう心に喝を入れて、龍介問題解決大作戦を実行開始することにした 「…私、龍介に何かしたかな?」 『え?何が?』 不思議そうに私の顔を、見上げている どうやら質問の意味が、理解できていないようだ 「だからね、龍介の目的は何なの?」 『…は?目的?』 またまた、不思議そうな顔ををする龍介 何だか、龍介の反応があまりに予想外だったため私も混乱しはじめた .
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