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『……お久しぶりです、お母様』 必死に平常を装いながら言う母さんの手は、凄く震えていた 『……うちには子供はいないわ。それより、今更何の用なの?』 冷たく言い放つ祖母 俺は、この2人の関係が全く理解できず、ただ必死に話を聞いていた 『……生活を、助けてほしいの。私の仕事が見つかれば、すぐにお金は返すわ!』 無表情だった祖母は、眉間を少し動かして冷たい視線を俺たちに送っている 『生活を助ける?私たちと縁を切ってまで結婚した、あの旦那に何とかしてもらいなさいよ』 『……あの人は出ていったわ』 無表情だった祖母の顔が、少し驚いた顔に変わる 『何故?』 『……他に女が出来たのよ』 そう言いながら、母さんはまた泣きそうになっている .
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