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玄関に入ると、そこには祖母が立っていた 『……こんにちは』 恐る恐る挨拶をする 『……半年ぶりくらいかしら?まぁ、入ってちょうだい』 そう言われ、後に付いて中には行っていく リビングにつき、ソファーに座る 『……で、話っていうのは?』 俺は決意をし、話す 『……母さんは癌なんです。それも、もう治りません』 突然無表情だった祖母が、驚きにより目を丸くして固まっている 『……美幸が癌ですって?それは、いつから?』 話す言葉の一つ一つが震え、明らかに動揺しているのが分かる 『最近突然倒れました。そして検査をして末期癌だと分かり、俺はそれを昨日初めて聞きました……』 泣きそうになるのを必死に堪え、下を向いて話す 『……ねぇ?美幸は……美幸はどこに入院してるの?』 顔は青ざめ、俺に必死に縋り付く 『……ここの近くの国立病院です。母さんは、あなたに会いたがっていました』 それだけを伝えると、突然お手伝いさんのもとへ行くと車を手配した 『……龍介くん?だったかしら。急ぐわよ!早く、病院に行くわよ!』 そう言うと、俺の腕をつかみ急いで玄関に向かい車に乗り込んだ .
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