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急ぎ足で、担当医の元へ向かう途中祖母とすれ違う 目にハンカチを押さえ、肩を震わせながら必死に歩いていた 気にはなったが、今はそれ所ではない! 一刻も早く、母さんの願いが叶うように俺はまた急ぎ足で向かう 『……田口です。失礼します』 ノックをして中に入る 『お祖母ちゃん、大丈夫だったかい?随分取り乱していたけれど……』 取り乱した? 俺はいまいち分からず、何となくだけ頭を下げ本題に入った 『先生!母さんと水族館に行ってもいいですか?』 『無理に決まってるでしょう?もう、体中がボロボロなのに。もしもの事が合ったら、どうするんですか?』 簡単に許可がもらえると思っていた俺は、予想外の返事に顔をしかめる 『……母さんの望みなんです』 『いくら、お母さんの望みでも医師としてはそんな危険な事は許可するわけにはいけません』 『……お願いします』 俺は深く頭を下げる たとえ危険だとしても、母さんの望みを叶えてあげたかった 『……じゃあ、条件を出します。来週の今日、お母さんの体調が優れていれば外出を許可します。絶対に無理の無いように。でも、少しでも体調を崩していた場合は絶対に許可しません』 俺は深く頷き、この条件に従うことにした それから一週間、母さんの体調が優れるようにいつも以上に気を遣い毎日病院に通った .
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