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その龍介の行動に、少しドキッとする 『俺はその時、初めて恋した。梨奈ちゃんの真っすぐな優しさに、あの時の俺はすっごい救われた』 私は真っ正面からそんなに誉められる事もないため、照れながらお礼だけを言った 『……それに、この話はまだ続きがあるんだ』 「……え?続き?」 私は予想外の返事に、少し首を傾げる 『梨奈ちゃんって学年で結構有名なの、知ってた?』 ……私が有名? 「私って有名なの?……何で?」 『可愛いから』 ……はい? 余りに龍介がさらっと言ったため、拍子抜けする 「私、全く可愛くないんだけど!」 『梨奈ちゃんってさ、自分に自信無さすぎだよね。世の中は自信過剰な人で、溢れてるくらいなのに……』 自信が無いんじゃなくて、本当の事なのに…… 『話を戻すけど、俺はその噂を聞いて梨奈ちゃんを見に行ったんだけど……』 何故か、言いにくそうな顔をする龍介…… 私は話の続きを、じっと待つ .
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