8.

33/38
前へ
/338ページ
次へ
それからは、他愛もない会話をし何事もなかったかのように水族館を楽しんだ 『……そろそろ帰る?』 私は頷き、帰ることになった そして、家の前まで送ってもらった 「……今日はありがとう」 『こっちこそ、じゃあまた明日。明日は逃げないでね?』 そう言うと、龍介は私に近づいて来る 私は何をされるのか分からず、咄嗟に目を瞑る ……あれ? 龍介はどうやら、頭を撫でているようだった 私は安心して目を開ける 『……俺、すっごい好きだから。絶対大切にする』 あまりに優しそうに笑う龍介に、心が揺れる でも、その言葉に私は返事をすることが出来ずただ黙っていることしか出来ない ……何でうまく返事できないんだろ? 自分自身に問い掛けても、結局答えは見付からない 『……じゃあ、今度こそまた明日ね』 「……うん、ばいばい」 そう言うと、龍介は帰っていった .
/338ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36579人が本棚に入れています
本棚に追加