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「どれくらいで、大阪に着く?」 『そうですね……もう、随分来ましたし30分位だと思いますよ』 悠司に言われ、時計を見るともう10時前になっている 「……今日って、帰ったら何時くらいになるのかな?」 『今日は泊まりです』 ……泊まり? 今さりげなく、凄いこと言ったよね? 「……泊まりって言ったよね?」 『えぇ、明日も休みですし』 確かに明日は休みだし、仕事や学校に支障はない ……けど、泊まり?! 「そんなの破廉恥だよ!」 私は思わず、声が大きくなる 『梨奈さん、どんな事を考えてるんですか?まぁ、梨奈さんがそれをお望みなら襲ってあげますが……』 どうやら私は墓穴を掘ったらしく、その気が無かった悠司のスイッチを押してしまったらしい 私は全身全霊、その事を全力で否定する 『まぁ、今日は止めときます。どうせ賭けが終わったら、僕のものになるんですし……』 賭けに勝つ気、満々だよね? 結果は私次第なんだけど…… 悠司を見ていると今まで、負けを知らずに生きてきたんじゃないかと思う それ位、負けることを微塵も意識していないみたいだ 私はどちらを好きになっても、純粋?な未来は保障されていないような気がした .
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