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『久しぶり』 扉を開けた先に見えたのは、紛れもない現実…… 嬉しさと高揚感と、そしてあまりの幸せに思わず脳は機能を停止する 「……本物だよね?」 いまいち、この現実を直ぐには受け入れきれない その人は、困ったような、でも幸せそうな笑みを一つ浮かべ深く頷く それと同時に、私はその人が壊れてしまうのではないかと言うくらいの力でぎゅっと抱き締める 「……お兄ちゃん!おかえり」 『梨奈、ちょっと痛い……それと、ただいま』 そう言うと、お兄ちゃんもぎゅっと抱き締めてくれた お兄ちゃんが居るという現実だけで、私は嬉し泣きをしてしまいそうだ そう、私は筋金入りのブラコン!それも、自他共に認めるくらいの! 『……とりあえず、中に入りませんか?周りの目もあるので』 悠司の発言で、少し正気に戻った私は部屋に入った .
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