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『嫉妬ですか……もしかすると、そうかもしれません』 そう言うと、私の腕を掴み無理矢理引き寄せる 『……梨奈さんは、僕の妻ですよね?』 ……また、悠司は急に何が言いたいんだろう 今だに慣れない妻という響きに、少しドキッとする 「まぁ、そうだけど……」 肯定している自分が恥ずかしくて、羞恥心から悠司を見ることも出来ない 『たとえ陸也だとはいえ、引っ付きすぎです。……僕にはそんな事、全くしないのに』 「だってお兄ちゃんだし。それに悠司にはそんな事しない、破廉恥だし……」 ……痛いほどの視線 どうやら最後の一言で、悠司のドSスイッチを押してしまったような気がする こうなってしまえば後の祭りだ 開き直り、悠司を見上げる ……やっぱり、ドSには全く持って勝てる気がしない 目が合うだけで、あの威圧感 ここは、ご要望どおり抱きついたら機嫌直るかな? という、血迷った考えも出てくるくらいの威圧感 普通は結婚相手に抱きつく事くらい、当たり前なんだろう でも、私は常識より羞恥心が勝ってしまいそんな恥ずかしい事出来そうな気がしない…… .
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