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『本気で大切にしないと……って思った、本当に』 高まる心拍数 横に居るお兄ちゃんに、聞こえていないかと心配になるくらい…… たった一言なのに、それなのに……何かが音を立てて崩れた気がする 「……ねぇ、今の話本当?」 話す口元が、かすかに震える 『わざわざ嘘をつく必要ある?』 そう笑った悠司は、いつもと同じで……でも酔っているから、いつもよりずっと素直で子供みたいで…… 「……ねぇ、私のこと結局はどう思ってるの?」 核心的な何かが欲しかった それが無いと、結局は一人で空回りしそうだから…… 『梨奈さんのこと? ………好きだよ、それに大切にするつもり』 そう言ってにっこり笑う その言葉で、私は悩んでいたことの答えを出した…… .
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