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『……やっと引っ付いたな』 お兄ちゃんの声で、一気に現実に戻される お兄ちゃん居たんだった…… あんな恥ずかしい告白を……しかも目の前でキスまで…… 急に悶えるような恥ずかしさで、頭の中がパンクしそうになる 悠司は何事もなかったような真顔……本当に夢だったんじゃないかと思うくらいの…… でも横でにやにやと笑うお兄ちゃんの顔でさっきの出来事がフラッシュバックする 「お兄ちゃん……にやにや笑うのやめてよ!」 恥ずかしさを隠すため強気で言おうとしたが、逆に声が裏返ってしまった それさえも、私の恥ずかしさを上昇させている 『梨奈さん……この賭けは俺の勝ちだよね?』 嫌味っぽく笑うのを見ると、私が恥ずかしがっているのを見て楽しんでいるみたい 悔しいが、今はこんな悠司にさえドキッとする 気持ちを認めたからなのか分からない……けど私は悠司の事が結構好きみたいだ だから、素直に頷いておいた .
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