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一人になって、今までのことをゆっくり思い出した 最初は結婚することなんて、まったく考えても居なかったなぁ 好きになるなんて、それ以上に思いもしなかった…… 人生は本当に何があるか分からないな、うん 『起きてたんだ』 声の方を見ると、少し髪の濡れた悠司がこっちに歩いてきている あれだ……水も滴るいい男ってやつだと思う そんなことを自然と考えている自分が、違和感で仕方がない 『また一人の世界?』 悠司は私の目の前の椅子に座りながら軽く笑っている 「お風呂早かったね」 『うん、シャワーだけにした』 「もう寝る?」 時計は既に1時を少し回った場所をさしている 『……寝る』 そう言いながら大きなあくびをしたため、私にもそれが移った それを見て、悠司と顔を見合わせて笑った そして実感する……私は、今すごく幸せ! 『じゃあ、もう寝よ』 そう言い、私の腕を掴むと寝室に向かった .
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