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『準備はもう終わりですか?』 「うん」 そう言うと私の鞄を私から奪い取るように持ち、自分の鞄も持つとドアに向かう 『悠司は多分、昨日のこと照れてるからあんなんだけど……』 「大丈夫、分かってる」 目には見えないが、確かに昨日とは変わっている 私の様子を見ながら、横でお兄ちゃんの口元も綻んでいる 『2人共、何をしているんです?早く行きますよ』 その声を聞き、急ぎ足で悠司の元へ向かった そして、チェックアウトを済ませ悠司の車に乗り込む 「お兄ちゃんも一緒なの?」 『うん……邪魔?』 お兄ちゃんが一緒で、邪魔なわけが無い!寧ろ楽しい! 『……どうせ、何を言っても付いてくるだろ?』 『うん!』 他愛も無い会話で盛り上がり、3人で笑いながら車を走らせる 悠司とお兄ちゃんの会話は、普段見れない部分を見れるため面白い ……でも、たった1本の電話で急速にこの空気は一変してしまう .
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