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「ねぇ、どこに行くの?」 『まずは東京に戻りましょう。それから、色々と案内するつもりです』 今から車で高速に乗っても、大分かかるだろう…… でも、今こうして他愛も無い会話を3人でしているのも楽しい 普段なら苦痛に感じる事も、楽しんでいる自分の心の変化 やっぱり、何事も心の持ちようなんだと痛感し納得する その空気を引き裂くように、突然鳴り響いた着信音…… お兄ちゃんは、ポケットから携帯を取出しディスプレイを確認した 『……え』 小さく低く声を洩らした お兄ちゃんの顔色は見る見る変わり、その着信が良いものでは無かったことに直ぐ様気が付いた 『……誰ですか?』 悠司の声だけが、車内に響く 『……帰ってきた』 誰かは分からない 悠司は表情を一気に崩し、今までには見たことの無い顔をしている 分かったことは一つ これから私達の間で、波乱が起きるはずだ それも、大きいものが…… .
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