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『なぁ、陸也』
『……ん?』
話し方は普段通りでも、顔からは不機嫌さを醸し出しているというのはさっきと変わらない
『……あいつ、何時に着く?』
『3時位だと思うけど……まさか、迎えに行くとか言うんじゃないよな?』
『それは……』
悠司は苦虫を噛み締めたような顔をしている……それを見るにお兄ちゃんの言う、まさかだったと言うのは一目瞭然で分かった
『中途半端な事な気持ちならやめろ。悠司に考えがあるなら、俺は無理には反対はしないけど』
『……今度こそ終わりだから』
『じゃあ、俺は何も言わない』
お兄ちゃんの力強い意見を肯定すると共に、自分に言い聞かせるように返事をする
こんなにも悠司を揺るがすその人物に、好奇心と恐怖心を共に持った
また今までと違いすぎる悠司に、私が見てきた悠司が偽りだったのじゃないかという気持ちが否めない
考えれば考えるほど、何か取り返しの着かないものになりそうで……頭の中で、どんどん負のスパイラルに陥っていく
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