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『あの悠司までも、振り回されっぱなしだったし……』 悠司が振り回されっぱなし?! 全く想像がつかない上、何だか興味が湧いてくる 『少しずつ、出てきたな』 ゲートに視線を向けると、旅行鞄を持った人達がちらほらと出てきている 何だか緊張してきた…… 私でさえ緊張するんだから、悠司はもっと緊張してるのかな? 私達より少しゲートに近い立つ悠司に視線を送るが、見るかぎりあまり変化を感じない その時、私は視界に入った一人の女の人に視線を奪われる 私だけじゃない、周りに居た人達の空気さえも変わってしまう 少し高めの身長にすらりと伸びた手足、手入れされきれいに巻かれた栗色の髪は腰辺りまで伸びている 雪のように白い肌に大きく切れ長の目、そして筋の通った鼻 全て無駄が無く、その上嫌味なくらいに華がある…… 『……悠司、久しぶりね』 そう笑いかける姿が、余りに魅力的で端麗で悠司が振り回されるのも納得した 本来なら焦りが生まれるはずだが、余りにも格が違いすぎて私は焦りさえも生まれない 逆に私もずっと見ていると、魅力にハマってしまいそうになる…… .
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