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どうしても決心ができない私は、悠司の様子を伺おうと視線を向けると、バックミラー越しに目が合った
……そして、明らかに早く答えろと言わんばかりの視線
『梨奈さん、僕の為にしますよね?』
脅しとしか見えないほどの完璧な笑顔で、私に念を押す
悠司が持ちかけるって事は……昨日言ってた気持ちを、信じていいって事だよね?
「……じゃあ、します」
『それでは、決まりということで良いですよね?』
『うん』
「……うん」
乗り気な優里亜さんに比べ、私は全く持ってそんな気分にはなれない
それに、悠司もわざわざこんな事せずに断ってくれたら良いのに!
精一杯の恨みをこめて悠司を睨むが、目が合ってしまい直ぐ様目を逸らす……
これから始まる賭けが、約束された勝負だとしても相手が優里亜さんということもあり先行き不安で仕方が無い
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