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『じゃあ、この賭けは明日から始めましょ?』
私と悠司は共に頷いたが、横でお兄ちゃんは少し呆れているように見える
『……で、優里亜の話って俺のことだったの?それだったら、わざわざうちに来る必要も無いし』
『そうだけど……まぁ、いいでしょ?お互い久々に会うんだから』
用事は済んだようだが、家には来るつもりの様だ
正直、優里亜さんの事は苦手な訳で……私はその返事に少し顔をしかめたくなる
『梨奈ちゃん!後で悠司の昔話してあげるから、楽しみにしててね』
明らかに顔をしかめる悠司とは対照的に、子供のように笑う優里亜さん
あまり一緒には居たくないけど、悠司の昔話は気になる……
「楽しみにしときます」
『うん、期待してて』
私の返事により一層顔をしかめる悠司……そして、優里亜さんはこちらを見ながら目を輝かせている
優里亜さん楽しそうだなぁ、本当に……
『じゃあ、俺は梨奈の昔話でもしようかな』
何を言い出すのかと横を見ると、お兄ちゃんは意地悪っぽく笑っている
『楽しみにしときます』
先程の仕返しとでも言うように楽しそうに笑う悠司……
悔しいけれど、悠司が笑っているだけで幸せになってしまう
そんな私は、本当に単純だと思う
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