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『梨奈ちゃん、ご飯だよ。』
「いらない…」
『いらないって…ここ一週間、ろくに何も食べてないだろ?』
「いらない、食べない」
悠司が居なくなったあの日から、私はずっと抜け殻のような状態。
あれから学校にも行かず、その状況を聞き付けた龍介はこうして私の元へと毎日ずっと通い詰めている。
『ねぇ、いい加減にしなよ。辛いのはわかるけど「龍介にはわかんないよ!もういいの、放っておいてよ!」
心配してくれる気持ちは痛いほどわかる。けど、私は今は他人のことを考えられるほど余裕も無い。
『ごめん……でも、ちょっとは食べてね。倒れられたら、俺が悲しいから。』
そう告げると、ご飯を置いて帰って行った。
自分自身、こんな事をしても何もいい方向へと向かわないのは頭では理解している。
けれど、思っていた以上に悠司の存在は大きくて、今だに゛あの時に必死に説得してしがみついていたら……゛というような後悔を抱いている。
そんなことをしても、何もかわらなかったのは目に見えているけど。
けれどもし、私がこのままの生活を続け倒れて、悠司が居ないと駄目っていうのが伝われば、戻ってきて私の傍に居てくれるのかな?という自分勝手な幻想さえも抱いている。
結局私はエゴイズムの塊だ。
そういう後悔の念だけが、今の私の胸を占めていた。
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