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それからも龍介は、毎日学校が終わるとすぐに私の元へと通った。
最初はどうしようもない気持ちを龍介に当たり、罵声を浴びせ、嫌われてもおかしくないような態度を取っていた。
それなのに、文句一つ言わず私を支えてくれる。
楽しかった話や学校の話、日常であった事など色々な話を毎日してくれた。それも、負担にならないように一生懸命に言葉を選びながら。
龍介のその真っ直な不器用さが、私の気持ちも徐々に溶かしてくれた。
龍介の気持ちに応える様に、私も少しずつ戻ろうと努力をするようにした。
そして、2ヶ月ほど経ったころ、私はもう自分の足でしっかりと立てるようになっていた。
これからがスタート。
けれど、久々の学校はやはり勉強も付いて行けず進路も決まっていない私にとっては、また苦痛だった。
『梨奈ちゃんがしたいことをしなよ。今年は無理だとしても、1年かかっても2年かかってもいい。俺はそれでもずっと支えるから。』
「…ありがとう。考えてみる。」
龍介の言葉は凄く心強くて、改めて凄く支えられていたという事に気がつく。
そして、私は心の中である決断をした。
きっと夢はまだまだ遠いけど、それでも諦めずに叶えたい。
そう思える目標を見つけた。
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