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いつも通りの帰り道、私は少し緊張した状態で口を開いた。
「龍介!私ね、決まったの…やりたいこと。けど、今年は多分無理だろうし、来年やもっと先になってもいいから、大学に行こうと思う。」
私の急な宣言に、少し動揺を見せたが、すぐに優しい笑みを浮かべ相槌をうってくれる。その様子に少しだけ胸を撫で下ろし、私は再び口を開いた。
「悠司のことは無かったことには出来ないし…それに、やっぱり大好きだったから、無かったことにはしたくないの。だからね、忘れるとかじゃなくて、私も前に進もうと思うの。」
私は前みたいに普通の高校生に戻っただけ…それに、まだたったの18歳。
人がまだ経験していないことを、少し早くに経験しただけ。
私はちゃんと自分の意志で、前向きに進むことを決めた。
私の話を聞くと、今度は龍介が口を開いた。
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