16.

5/6
前へ
/338ページ
次へ
『梨奈ちゃんも前向きに頑張りだしたし、俺も頑張らないとなっ! …実は俺も、梨奈ちゃんと一緒で、大学行こうと思ってるだ。 それも、最近になって決めたんだけど。』 少し照れ臭そうにしながらも、龍介は話を続ける。 『決めたのが遅くって全然勉強なんかしてないし、受験はそんな甘くないのも知ってるからさ。 だから、1年間は予備校とバイトを両立して、頑張ろうかなって思う。…ほら、俺の家はあんまり余裕もないからさ。 …よしっ。お互い頑張ろうな!』 そういうと、はにかみながら私の頭をぽんぽんと触る。 「うん、大丈夫。私達はこれから、きっと上手くいくよね!」 そう言うと、私は龍介に、久しぶりに心からの笑顔を見せた。 それにつられて、龍介も満面の笑みを浮かべた。 一人じゃ、きっと何もかもが駄目になっていた。 …改めて、心の中で龍介にありがとうと呟いた。
/338ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36583人が本棚に入れています
本棚に追加